#04エビちゃん幽体離脱。。(前編)

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ねぇねぇ、もぉちゃん。

幽体離脱って知ってる?

もちろん知ってるよ。

寝ている間、自分の身体から自分が出ていくあれでしょ。

でね。幽体離脱って2種類あるんだって!

1つは魂や霊体が身体から出ていく非現実的な、超常現象。

もう1つは、精神的要因からでる幻覚。

さすが、もぉちゃん。

よく知ってるね。

うん、好きだもん。

そっち系の類いは任せて

でね、まぁ私は

非現実的な超常現象の方は幼い頃に経験してるんだけどさ。

この前その時の・・

ちょっ‼︎

エビちゃん!!

ぶぇ◯※、た$△?ちハ%?

は?ちょっとなになに?

まだ話してる途中なんだけど

ご、ごめん。

つ、つい興奮した。

は?なんで?

意味わからないんだけど。

いや、むしろ。

エビちゃんが、普通に話してるのが謎いんですけど。

だっている?

身近な人で、幽体離脱を経験した人!

ん〜、みんな言わないだけなんじゃない?

ないっ!

だって超常現象だよ?

金縛りとかじゃなくて、幽体離脱だよ?!

幽体離脱!!

わかった!わかったから!

落ち着いてww

もぉちゃんらしくない!

そ、そだね。

スーッ!

ふぅ〜。

よし。それじゃあ詳しく聞こうか。

詳しく話すの?

話すの。

わかった!

あのね、私がまだ10歳の頃なんだけどね

エビちゃんの10歳っていったら、

あっ、あのフィボナッチ数列に気づいた頃じゃない?

そうそう。あの法則を見つけた時は、世紀の大発見だーっ!って思ったけど。

すでにフィボナッチ数ってのがこの世にあるって聞いてガッガリしたんだよね〜。

そうそう、本当に変な子供だったよね。

数字の“0”は、数字じゃない!とか言ってたよね。先生達困ってたよー

懐かしいねw

そそ、それでね。

自然の家体験ってあったよね?

小学4年生〜6年生が、自然の家体験って名目で一泊二日、自然に囲まれた所に泊まりに行くやつね。

うん、その1日目の夜に事件が起きたの!

1日目の夜、みんなそれぞれの部屋で寝ていたんだけど。

どんな部屋だったの?

あっ、そっか!

もぉちゃん、休んでたから知らないんだよね。

部屋の間取りは、

部屋のドアを開けると、二段ベットが縦に2つ、左右に並んでるだけの狭い部屋。

トイレやお風呂は別だったから、本当にベットしかないお部屋って感じ。

寮とかによく使われるタイプの部屋だね。

うん、それで私はドアを開けてすぐ右側のベッドの2段目だったの。

つまり、右側の手前のベッドで、”上”だったわけだね。

それで、夜って先生が見回りに来るじゃない?

ちゃんと寝てるか確認に来るね。

私はなかなか寝付けずに、ずっと仰向けで眠気が来るのを待ってたの。

見回りの先生もまだ来なくて、気づいたら眠っていて。

夢を見たの。

・・・。

まず、私たちが泊まっている建物の全体が映し出されたの。

それは、エビちゃんがその建物を最初に見た外観?

違う違う!

もっと離れた所。上空から撮影したような感じの。

もちろん、そんな所からは現実に見たことはないよ

なるほど、つまり現実に見たことない角度から

夢の中で映し出されているわけだね。

それから、次は壁が映し出されて

その壁にどんどん近づいていく感じ。

振り返ると私がベッドで仰向けで寝てるの。

その壁。とは天井の事だね。

エビちゃんの身体から抜け出したって事かな。

多分そうかな。

それから、ベッドをハシゴを使って下に降りるんだけど

やっぱり私は目の前で寝たまま。でも確実に私がベッドから降りてるの。

ベッドを降りたら、次は一人一人のベッドの所に行って眠っているかの確認をして、部屋のドアを開けて廊下にでたの。

エビちゃんの身体から抜け出した”エビちゃん”が、動いているんだね。

その時の行動は、エビちゃんの意思なの?

ううん。違う違う!

勝手に私が動いてる感じ。

その私から抜け出した”エビちゃん”以後、”エビちゃん2”って言うね。

”エビちゃん2”の目は私なの!

なるほど。

つまり、その”エビちゃん2”は、勝手に行動するが、見えているものに関しては、エビちゃんが見てるって事だね。

そうそう!

それから廊下にでて、もの凄いスピードで走るの!

まるで、風のように。駆け抜けていくって感じかな。

その時エビちゃんの見えているものはなに?

廊下の壁だね!

駆け抜けていくわけだから。みんなの部屋のドアや階段が通り過ぎていく。

それから、映し出す映像が変わって

その建物内の全体が見えて、廊下や階段をもの凄い勢いで、黒くて丸い玉が動いているの!

それが、私!!つまり”エビちゃん2”

さっきまでは”エビちゃん2”が見えるものを見てたけど。

今は。客観的にその”エビちゃん2”を見てるわけだね。

で、その正体は黒くて丸い玉。

大きさは?

大きさは、拳くらいかな。

なるほど。

で、その黒くて丸い玉の”エビちゃん2”は何処に向ってるの?

うん、それが

ある部屋のドアの前で、ピタッと止まったの!

それは、本物のエビちゃんが眠っている部屋の前とか?

ううん。

知らない部屋の前。

上の階かな?

その自然の家の建物は何階建て?

4階建て。

横に長いホテルみたいな感じかな。

で、エビちゃんの部屋は何階?

私たち4年生は2階。

因みに5年生は3階、6年生は4階。

1階は、エントランスと多目的ホール。

それで、その黒い玉の”エビちゃん2”はどの階に居たの?

4階。6年生の階。

どうして?

それが、わかんない。

またその”エビちゃん2”の見えるものが、見えるようになって

それから、ゆっくりドアを開けたの。

”エビちゃん2”の視点になって、6年生の部屋のドアを開けたんだね。

その部屋のドアを開けたら。

開けたら?

6年生の子達は、みんな起きてて

その中の一人の女の子だけが、私に気づいたみたいで。

こっちを見ながらこう言ったの。

・・・。

・・・誰?

って。

ちょっと待って。

その6年生の女の子の「誰?」っておかしくない?

だって、”エビちゃん2”は黒くて丸い玉だよね?

うん、そうなんだけど。

たぶんその時は、普通に私の姿をしていたと思うよ。

だって、その6年生の女の子は続けてこうも言ったから。

「ここは、6年生の階だよ?

あなた何年生?間違ってるんじゃない?

早くあなたの自分のお部屋に戻りなさい。

もうすぐ先生が見回りに来るから」

って。

その6年生の女の子は、エビちゃんの事知らなかったの?

うん。そんな感じだった。

エビちゃんは、その子の事は知っていたの?

知らないよ、初めて見た子だった。

そっか。

それからその”エビちゃん2”はどうしたの?

黙って廊下に出て、ドアを閉めて

またもの凄いスピードで廊下を走って。

私が眠る部屋のドアの前に戻ってきたみたい。

その時、”エビちゃん2”の目には何が見えていたの?

それが、また黒い玉にもどって、遠い角度から〈それ〉が動いているのが見えているだけ。

6年生の女の子のドアを閉めて、黒くて丸い玉に戻ったわけだね。

それから、またその”エビちゃん2”の視点になって、

ドアを開けて、私が眠るベッドの所に行って、

ハシゴをのぼって、私の胸あたりにスーッて戻ったの!

戻ったんだ。

戻った時の意識はあるの?

わかんない。

けど、私に戻った瞬間

ハッとして、目が覚めたの!

それは正真正銘、私!!

で、先生が見回りに来て

「こらっ!蛯原!寝なさい!!」

だって。こっちの気も知らずに。

普通に目が覚めたって事だね。

その時、”えびちゃん2”だった時の事は覚えてる?

覚えてる。

あの6年生の女の子は誰だろう。

あぁぁ。これが幽体離脱ってやつか~って考えてた。

記憶が繋がってるんだね。

その後は普通に朝が来て、朝食を食べたりして

何事もなかった感じで時間が過ぎていって。

レクリエーションの時間になったんだけど。

レクリエーションで、なにかあったんだね。

そう!

さすがもぅちゃん。

なにが起きたの?

後半へ続く・・・。

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